1.基本報酬は概ねプラス改定
新年間もない1月18日の第199回社会保障審議会介護給付費分科会で、令和3年度に改定される介護報酬の単価が明らかになりました。
基本報酬はほとんどの業態で引き上げられています。さらに、新型コロナウィルス対策として、令和3年4月から9月までの半年間は、全てのサービスで基本報酬に0.1%上乗せされることとなりました。


最低限の評価はできる内容ですので、今回のプラス改定には喜びの声が大きいように感じています。
しかしながら、以前本連載でも触れましたが、今回の改定では感染症対策の強化などが運営基準に追加されます。実際に介護事業者が実行しなければならない業務が増える形になるので、基本報酬単価が上がるのはある意味当然とも言えるのです。
加えて、新たな加算や従来加算の上位区分が多く新設されています。これらの新設加算を上手く算定できないと、実質減算となるサービスも多いのが実態です。
各加算の詳細や求められる対応については、次回以降に解説していく予定です。今回は速報として、重要トピックである「科学的介護」について解説してまいります。
2.科学的介護元年
今回の改定の目玉は、何と言っても「科学的介護の本格導入」です。従来の加算単価を減算し、上位区分を作り、CHASEやVISITへのデータ提出やフィードバックの活用を求める加算を新設しているのがその特徴といえるでしょう。
また、この新設加算を算定できないと、実質の減算となってしまうサービスが多い建付けとなっています。つまりは、この新設加算を算定しないと、基本報酬の引き上げを加味してもトータルでは減算となってしまう可能性があるということです。
〈科学的介護推進体制加算(新設)〉
科学的介護を評価、推奨するために新設される加算です。
CHASE・VISITへの情報提供とフィードバックの活用によって算定できる加算となっており、次回報酬改定までに、何としてでも科学的介護を定着しようとする国の強い意志を感じます。
係る労力と比較するとそれほど単位数は多いと感じられないかもしれませんが、この加算は令和3年度介護報酬改定の最大のポイントとも言えます。漏れなく算定してきましょう。
尚、CHESEとVISITは、科学的介護情報システム(LIFE)という名称に統一される予定となっています。

3.まとめ
冒頭でも触れたように基本報酬の引き上げはかなり好意的に受け止められています。
しかし、業態別に見ると訪問介護の基本報酬は殆ど上がっていません。通所介護も個別機能訓練加算や入浴介助加算も上位区分を算定できないと、基本報酬の引き上げを加味しても減算になってしまう可能性が高い算定構造となっています。
運営基準が厳しくなることもあり、プラス改定ではありますが、率直に申し上げて全く楽観できる数値ではありません。これまでの連載でお伝えしてきましたが、加算算定の重要性がこれまでにも遥かに増しています。
4月からの加算算定に向けて、今すぐにでも準備を始めていきましょう。 |