介護保険制度/介護報酬


【第11回】 「LIFE活用の準備」

1.LIFEを活用するための準備

 2021年介護報酬改定より科学的介護が本格導入となることは、本連載にて繰り返しお伝えしてきました。実際、多くの加算の算定要件にLIFEの活用が紐づけられています(資料1参照)。


 筆者のクライアントでもLIFEの活用に早く備えたいと思っている事業所は多いのですが、「実際に何をすればよいのかわからない」という声をよく耳にします。そこで今回は、LIFEを活用するための準備や方法を具体的に解説します。

2.LIFE活用のための準備

1)LIFE利用までの流れ

〈利用開始の手順〉
 ①専用webサイトより新規利用申請
 ②厚労省から送付されるハガキ(パスワード等の情報が記載)を受領
 ③初回ログイン・IDの設定
 ④利用者情報・様式情報の登録
 ※4月よりLIFEの利用を開始する場合は3月25日までの利用申請が必要!

 LIFEを使うためには、まず専用webサイト(https://chase.mhlw.go.jp)より利用申請を行い、パスワード等の利用に必要な情報を入手する必要があります。尚、このURLは令和3年4月以降に変更予定となっていますので、注意が必要です(https://life.mhlw.go.jp)。

 また、ハガキ到着後にはIDの設定や利用者情報・様式情報の登録が必要となります。この際、LIFEには「管理ユーザー」と「操作職員」の2種類のユーザーが存在し、それぞれLIFE内で入力できる項目が異なりますので、注意が必要です(資料2参照)。


〈管理ユーザー〉
 管理ユーザーは事業所で1名しか設定できず、利用者情報(利用者の氏名等基本的情報)や操作職員情報を入力する役割を担います。

〈操作職員〉
 操作職員は管理ユーザーが複数名様式情報(計画書等各種様式の情報)を入力します。

〈データ登録〉

 新規利用時は何もない状態からデータ登録をする必要があり、負荷の大きい作業になることが予想されます。

 LIFEのwebサイトに直接入力することもできますが、その手法だとかなり時間の手間がかかってしまいます。現在使用している介護ソフトより抽出した利用者情報データを使用し、LIFEへのデータ提供も可能ですので、使用している介護ソフトベンダーにLIFEへの情報提供や連携について必ず確認しておきましょう。

〈2021年4月から加算を算定するには〉

 LIFEに紐づいた加算を2021年4月からの算定をする場合は、3月25日までに利用申請をする必要があります。

 作業量が多いので4月からの算定を躊躇う事業所もあると思いますが、スタッフや利用者と家族、地域ケアマネなどへの告知や説明のしやすさを考えると4月のタイミングでの算定が一番スムーズにいくことが考えられますので、科学的介護推進加算だけでも4月からの算定を目指しましょう。

2)データ提出とフィードバック

 利用申請が終わったら、各加算算定に必要な様式を用いて評価し、LIFEを活用していかなければなりません(資料3参照)。


 ほぼ全ての介護サービスで算定可能な科学的介護推進加算の様式だけでも、そのボリュームに圧倒されてしまう方も多いのではないでしょうか(資料4参照)。


〈データ提出の期限〉

 原則、自由記載以外の項目をLIFEにデータとして提出することとなります。提出はサービス提供月の翌月10日までに実施する必要があります。

 例えば、科学的介護推進加算の算定を4月から予定している事業所は、5月10日までに科学的介護推進加算に関するデータをLIFEに提出する必要があるということになります。いきなり挫けそうになる状況ではありますが、利用者の状態が1ヶ月単位で劇的に変化することは考えづらいので、4月の様式作成さえ乗り切ることができれば、その後の申請は楽になると考えられます。何とか初月の作成を頑張りましょう。

〈データの取り扱い〉 

 また、データ提出は①LIFEに直接入力する方法と②介護ソフトに入力したデータをCSV連携でLIFEへ提出する方法の2パターンがあります。連携を考えると②の方法が現状は楽であると考えられますので、この観点でもやはり使用している介護ソフトベンダーにLIFEへの対応を早急に確認しておきましょう。

 提出したデータはLIFEを通じて、解析結果などをサービス提供月の翌月中にPDFデータでフィードバックされる予定となっています。

3.まとめ

 いかがでしたでしょうか。本記事を読み算定意欲が減退してしまった方もいらっしゃるかもしれません。

 これだけの労力をかけて、科学的介護推進加算の単価は40単位~60単位です。お示しした科学的介護推進加算算定様式を毎月作成し算定しても、利用者一人当たり約400円にしかなりません。率直に申し上げて、筆者も労力に見合った加算単価ではないと感じています。

 しかしながら、科学的介護元年改定の今回はあくまでも『練習』の側面が強い内容となっています。3年後の2024年より、更に科学的介護は拡充されていくでしょう。LIFEに紐づいた加算算定を今から始めないと、次回以降科学的介護関連加算が拡充されたときに対応できなくなってしまう可能性があります。

 加えて、科学的介護とは介護保険サービスが利用者の状態の維持・改善に資するものというエビデンスを残すという側面もあります。皆さんの介護サービスで、こういった様式に沿って加算算定をしていき、実際に利用者の状態を維持・改善させていくということが、国が介護サービスに求める真の機能です。

 国の求めている『時流』に乗るためにも、科学的介護に関する加算算定は積極的に実施していくことをお勧めいたします。