リーダーシップ


【第4回】 「介護リーダーに必要なスキル2
     ―人間関係処理能力(ヒューマンスキル)―」

1.はじめに

 介護事業所に於ける介護リーダーは、その役割によって介護部長のような全体をまとめるトップリーダーと、フロアーリーダーのような中間管理を行うミドルリーダーと、ユニットリーダーのような現場を指揮するロワーリーダーとに分けられる。

 介護リーダーに与えらる使命は、どのリーダーに於いても、CS(顧客の満足)、ES(従業者満足)、OS(組織満足)の3つの満足を充たすよう、それぞれの目標を立て業務を遂行することである。

 そして介護リーダーがこの業務を遂行するに当たっては、3つの満足目標が達成できるよう、3つのスキルが必要となってくる。

 3つのスキルとは、遂行してゆく道筋を示すことが出来る概念化能力(コンセプチュアルスキル)と、3つの目標を達成するためスタッフを束ね、職務を全うするよう人間関係を整えることが出来る人間関係処理能力(ヒューマンスキル)と、3つの目標を達成するための業務を遂行できる業務遂行能力(テクニカルスキル)である。

 今回はこの業務を遂行するに当たって、職務を全うするよう人間関係を整えることが出来る人間関係処理能力(以下ヒューマンスキル)について述べてゆく(表1参照)

 

2.ヒューマンスキルの各リーダーに於ける範囲

 ヒューマンスキルは、介護部門に於けるどのリーダーにも重要なタスクである(図1

 

3.ヒューマンスキル(人間関係処理能力)の実際

1)ヒューマンスキルの基本

 ヒューマンスキルの基本姿勢はあそび(愛情・尊敬・美徳)心である。そしてヒューマンスキルを発揮する為の手段は、あそび心に基づいたコミュニケーション能力である。

 あそび心の基本姿勢が備わっていないと、利用者への不満を語り、上司にゴマを擦り、同僚の悪口を言い、部下をしかりつけるなど、人間関係が円滑に回らなくなる。この様なヒューマンスキルの基本が出来ていない人はリーダーには向いていない。

 コミュニケーション能力を具体的にいうと、対象者(利用者・上司・同僚・部下)に対する言葉遣い・態度である。誰に対してもあそび心を持って接すれば、対象者によって言葉遣い・態度を変える必要はない。

 言葉遣いに関しては、幸いにも日本には謙譲の美徳を表現できる「敬語」の文化があるのでそれを用いれば良い。仕事上では対象者が誰であっても敬語を用いれば言葉遣いに誤りは生じない。

 態度はパラ言語(声の装飾)と仕草で表現される。パラ言語は相手の状況を察知し、嬉しい時は笑顔で明るく大きな声で反応し、悲しい時は涙し静かに小さい声で反応するなど鏡のように反応(ミラーリング)し、相手のペースに合わせるようにする(ペーシング)と、理解・受容・共感が得られやすい。

 しかしいくら謙譲の美徳を心掛けていてもコミュニケーションがうまくいかない事もある。その時は「平穏は感謝・失敗は経験・成功は自信につながる」といつもポジティブに物事を捉えるようにするとよい。

2)CS(顧客の満足)に於けるヒューマンスキル

 CSに於けるトップリーダーに必要なヒューマンスキルは、欲求の支援、科学的支援の説明責任、社会的支援のサポートなどで発揮される。
 欲求(ニーズ)の支援で重要なことはスキームの創り込みである。

 欲求には、食欲・排泄欲求・清潔欲・睡眠欲・活動欲・所属欲・金銭欲・性欲・権力欲・名誉欲・承認欲求・自己実現欲求など様々なものがある。

 介護事業所に於いて、利用者個々の欲求(ニーズ)をすべて支援する事は不可能な事であるが、トップリーダーは出来るだけ多くの利用者の声に耳を傾け、利用者に喜んで戴けるよう、最大公約数となるスキーム(枠組み)を作り出すことが重要となる。

 例えば利用者から「食事がまずい」という意見が出されたと介護スタッフから聞かせれたら、利用者の下に駆け付け直接意見を聞いたり、管理栄養士を主体とした給食委員会などといった委員会を組成し、関係部署のスタッフを招集し、会を運営してゆくことなどがトップリーダーのヒューマンスキルである。「現場に任せている」というだけのトップリーダーでは、利用者との信頼は築けない。

 給食委員会では、様々な利用者の食の嗜好を調査したり、食物残渣物の調査、アンケートなどを実施して利用者の嗜好を把握し、委員会で協議し多くの利用者に喜んで戴けるよう最大公約数となる食事の提供を目指すのである。

 この際ヒューマンスキルとして重要なのが、チームを束ね鼓舞し、利用者の声を拾い欲求を満たしてゆく、統制力・調整力・傾聴力・共感力・運営力などである。

 トップリーダーとしての科学的支援の説明責任とは、重度化対応指針の説明とか、医療依存度の高い利用者への対応指針・感染防止対策指針・空調の使用規則の説明など、科学的根拠に基づいた事業所が打ち出す指針を、利用者と情報を共有した上で合意して戴くことである。

 この際ヒューマンスキルとして重要なのが、利用者への説明責任を果たしてゆく、説得力・責任性・傾聴力・共感力などである。

 トップリーダーとしての社会的支援のサポートとは、介護事業所内に於いては、ただ契約を結んだ(契約書締結)、運営規定に基づいた重要事項説明を行ったというだけではなく、運営懇談会を開催するなど、継続して利用者と向き合い情報を共有した上で、現場の行う社会的支援のサポートを合意して戴く努力をし続けてゆく事である。

 事業所外に於いても、利用者の声に耳を傾け、例えば利用者の病院受診への付き添いや福祉用具購入などを家族へ依頼する、利用者の自治会やお祭りへの参加などの地域活動への調整、自治体への提出書類の代替などに気を配り、それらを自らが行ったり担当者に指示したりする事によって支援するのである。

 この際ヒューマンスキルとして重要なのが、チームを束ね鼓舞し、利用者の声を拾い欲求を満たしてゆく、説得力・調整力・傾聴力・共感力などである。

 CSに於けるミドルリーダーならびにロワーリーダーに必要なヒューマンスキルは、楽しみ・居場所・役割の創造、対職員・対他の利用者等の仲介(指導)などで発揮される。

 楽しみに於ける介護事業所の定番は、1月…正月、2月…節分、3月…ひな祭り、4月…花見、5月…端午の節句、7月…七夕祭り、8月…お月見、11月…七五三など、霽(ハレ…非日常)と言われる日本古来の伝統行事である。最近では10月にハロウインや12月にクリスマスの行事を行い毎月誕生会を行うなど、和洋折衷の行事を行う事業所も多い。

 また絵画・音楽教室、落語・音楽鑑賞会、将棋・麻雀大会、茶話会・生け花教室、カラオケ大会など、個別の利用者の趣向を生かした取り組みをしている事業所もある。

 これらの行事の目的は、利用者の褻(ケ…日常)に変化を持たせ、QOLを高める事に他ならないが、ここにリーダーとしてのヒューマンスキルが問われる事となる。多くの場合ロワーリーダーは最大公約数となる行事を企画・演出し、ミドルリーダーは企画・運営することが仕事となる。

 この際ヒューマンスキルとして重要なのが、利用者の声を拾い実施してゆく、傾聴力・想像力・企画力・演出力・運営力などである。利用者の思いを具現化できるリーダーには信頼が集まる。

 利用者の霽と褻(ハレとケ)に於いて、居場所や役割作り、対職員・対他の利用者等の仲介(指導)もリーダーの重要なヒューマンスキルである。

 例えば介護職員と利用者の相性や利用者間での相性などを勘案し、受け持ちを決めたり食事の席次を決めたりすることは利用者の居場所につながるし、行事やクラブ活動に於いて、他の入居者とのグループ分けや人間関係の調整を行ったりすることも利用者の居場所につながる。

 あるいは掃除や洗濯など日常生活に於いて利用者に役割をお持ち戴いたりすることで居場所が出来たり、クラブ活動での司会をお願いしたりすることによって、生き甲斐や気力の充実につなげる工夫をしたりするのである。

 またご家族や社会とのつながりが薄れないように、連絡ノートを作りこまめにご家族に連絡を取ったり、できるだけ外出を促し、社会で暮らす人々と触れ合う機会を増やしてゆく工夫などが大切となる。

 この際ヒューマンスキルとして重要なのが、利用者の声や潜在意識を拾い出し実施してゆく、傾聴力・洞察力・調整力・行動力・指導力などである。

3)ES(従業者の満足)に於けるヒューマンスキル

 ESに於けるトップリーダーに必要なヒューマンスキルは、接遇・道徳教育の実施、チームケア実施、生き甲斐、適材適所支援などで発揮される。

 従業者の満足を高める一番の目標は「自己実現」である。給料や休みなどのインセンティブ(誘因)に対する欲求を求めだしたら際限がない。

 自己実現への一番の近道は、あそび心を啓蒙し介護スタッフに浸透させる接遇・道徳教育である。

 接遇・道徳教育の基本は何かを従業者に施すことではなく、範を垂れる事である。

 つまり自らが手本となるよう、誰に対しても敬語を用い、心を平穏に保ち、人に感謝し、礼節を尊ぶ事である。誰に対しても「驕(おご)らず、怯(ひる)まず、諂(へつら)わず」事が大切である。ここでのトップリーダーに最も必要なヒューマンスキルは、平常心、感謝、確信、温厚さなどの情緒の安定ならびに謙虚さと言える。

 チームケアの実施にはトップリーダーの牽引力と指導力が不可欠である。

 チームケアを検討する時、介護従業者間の意見が衝突しまとまりを欠くことがある。そんな時トップリーダーは、その意見を集約しチームをまとめあげなければならない。この時必要なヒューマンスキルは、ケアに関しての事ならば、ベクトルが利用者に向いているかなどという正しい判断力と、よりよいものに前進させるという向上心である。

 また従業者の生き甲斐支援や介護の仕事に於ける適材適所の支援もトップリーダーのヒューマンスキルが不可欠である。

 トップリーダーは、介護従業者並びにミドル・ロワーリーダー各々の特性や性格を見極め、勤務交代や委員会の組成に関しては、リーダー×従業者間の組み合わせを勘案したり、各々の特性を知った上で適材適所に配置し、各々の生き甲斐につなげてゆかなければならない。この時に必要なヒューマンスキルは、観察力、情報収集能力、洞察力、判断力などである。

 ESに於けるミドル・ロワーリーダーに必要なヒューマンスキルは、スタッフのメンタルケア・調整、モチベーション、チームケアの維持管理、面談などで発揮される。

 スタッフのメンタルケアや調整には、普段からの介護スタッフの気持ちに寄り添い、介護スタッフの声に耳を傾けるなど、日頃からアンテナを張り観察する力を持ち合わせていなければならない。スタッフのミスやスタッフ間の感情のもつれなど、スタッフ個人の落ち込みやスタッフ間のトラブルになりそうな事案は、事が大きくなる前に鎮めなければならない。面談など普段から機会を見つけては行ってゆく事も大切な事である。

 この時に必要なヒューマンスキルは、観察力、傾聴力、洞察力、判断力、調整力などである。

 スタッフのモチベーションの維持・向上に必要なのは、スタッフ個々の特性を知りやりがいが持てるようにする事である。

 例えばユニットの年間目標を立てたり個人の年間目標を立てさせ、目標が達成できるようにコーチングしたり、利用者の受け持ち制度を作りケアを充実させたり、教育・給食・感染防止・レクリェーション委員会など各委員会のメンバーに所属させたりするのである。この時に必要なヒューマンスキルは、洞察力、計画力、指導力などである。

 チームケアの維持管理に大切なのはチームの和である。チームの和を保つためには「青い髪」(あ…明るく・お…穏やかに・い…いじめず・か…陰口をたたかず・み…認め合う)を実践する事である。この時に必要なヒューマンスキルは、明るさ、情緒の安定、認める力、褒める事、指導力などである。

4)OS(組織の満足)に於けるヒューマンスキル

 OSに於けるトップリーダーに必要なヒューマンスキルは、地域活動・交渉・営業・広報活動の実施、個人情報保護・虐待防止啓蒙、苦情対応などで発揮される。

 地域活動で重要な事は、地域連携を取る事と地域の方々との協力体制を築く事である。なぜなら介護事業所が地域と連携できていないと、色々な弊害が出てくるからである。

 まずは病院や他の介護事業所との連携である。入退院や入退去に関して病院や他の介護事業所とのやり取りは必須で、入退院や入退去、営業活動、転居など多岐に渡る。必然的にトップリーダーには挨拶回り、交渉、営業、広報活動などの仕事が課せられてくる。

 また地域住民との協力関係も大切である。例えば介護事業所で出た事業ごみの扱いなどの生活情報のやり取りとか、地域の祭り等行事への参加や天変地異による災害時の救護体制など地域との関りは無視できない。介護事業所が地域で孤立すると生活に必要な情報が入らなかったり、悪い噂が広がったりする。そうなると利用者が減少したり、職員が集まらなかったりするので注意が必要である。

 この時に必要なヒューマンスキルは、情報収集力、信頼性、交渉力、営業力などである。

 上記に示した地域交渉以外にも、トップリーダーに必要な交渉は多岐に渡る。ベッド・机・車椅子などの備品や福祉用具の選定・修理、リネン・洗濯などの衛生環境整備、トイレットペーパー・おむつ・事務用品などの日用品購入等々トップリーダーの交渉の場は多い。交渉時ヒューマンスキルは、判断力、分析力、決断力などが必要となる。

 さらに個人情報保護・虐待防止啓蒙・苦情対応など、介護事業所に義務付けられている法的、道徳的施策について、トップリーダーが先頭に立って指揮する必要がある。

 個人情報保護に於いては、住所・氏名・年齢などの基本情報に加えて、個人の身体的特徴や病歴などの情報も漏洩しないようきっちり保護しなければならない。その為には従業者に対するプライバシーポリシーの啓蒙と情報管理の徹底が必要である。この時のヒューマンスキルとしては伝達力と情報管理能力が不可欠である。

 虐待防止については利用者保護の観点を繰り返し教育し、暴力は勿論の事、身体拘束の廃止、無視の禁止、悪口・罵詈雑言など心理的な攻撃の廃止、養護拒否の廃止、金品の搾取ならびに強要の禁止、性的嫌がらせの禁止を謳い、虐待は犯罪である旨を伝えてゆかなければならない。この時、教育力、説得力、正義感が無ければならない。

 苦情(クレーム)はサービスの宝である。クレームは迅速かつ冷静沈着に対応し、出来るだけ早く解決してゆかなければならない。またこの時は誠意ある対応が求められる。クレームを不快に感じてはならない。時に理不尽な苦情も無きにしも非ずだが、そのような場合でも寛容な態度で対応する事が求められる。この時のヒューマンスキルは、迅速さ、冷静さ、穏やかさ、誠実さが無ければならない。

 OSに於けるミドル・ロワーリーダーに必要なヒューマンスキルは、報告・連絡・相談の徹底、意見具申、個人情報保護・虐待防止徹底、苦情受付などで発揮される。

 報告・連絡・相談(ホウレンソウ)は組織運営に於いて頗る大切な事であるが、私の体験で行くと実際は出来ない人が圧倒的に多い。ミドル・ロワーリーダーにおいては、ホウレンソウがOSに於けるヒューマンスキルの多くを占めていると言っても過言ではない。

 この時必要なヒューマンスキルは誠実さ、素直さ、正直さ、判断力、情報管理能力などである。

 私が体験したミドル・ロワーリーダーに於けるヒューマンスキルで、ホウレンソウの出来ていなかったケースを紹介する。

<ホウレンソウのエラー事例>

 1月20日月曜日介護職員Aはアルツハイマー型認知症の入居者B様の荷物整理をしていた際、B様がB様名義の350万円入った通帳と印鑑を持ち込んでいる事を発見する。その場で通帳と印鑑を預かろうとするがB様は頑なに拒否した為預かる事が出来なかった。介護職員AはユニットリーダーCにその旨を報告した。

 ユニットリーダーCはフロアーリーダーDにどうするのがよいか相談すると、フロアーリーダーDは「ご家族に連絡して施設に来て戴き、ご家族よりB様を説得して戴き、通帳と印鑑をお持ち帰り戴いて下さい」と指示する。

 ユニットリーダーCはその指示を受けご家族に連絡し、申し送りノートに"B様が部屋に350万円入った通帳と印鑑を持ち込まれていました。お渡し戴くよう説得しましたが拒否されています。1月26日の日曜日にご家族が来所されますので、ご家族に説得してもらいお持ち帰り戴いて下さい"と記載し申し送った。

 その次の週の日曜日家族が来所された際、当日の日勤介護職員Eが対応し、B様の一連の事柄をご家族に説明する。ご家族はB様の部屋に行き、通帳と印鑑を渡して欲しいと説得するが"私の財産を取る気だな"と言ってご家族の説得も拒否される。

 困ったご家族が介護職員Eに相談し、もう一人の日勤介護職員FがホールにB様を連れ出している隙に、ご家族と一緒にB様の荷物整理を行う。しかしいくら探しても通帳と印鑑は見つからなかった。

 1月27日施設長に対して、B様の家族から「通帳と印鑑の管理が杜撰ではないか!」とクレームが入る。しかし施設長は寝耳に水で、その時初めてB様の一連の騒動を耳にした為、頗る対応に苦慮する。

 施設長は事実関係を確認する為、介護部長G、フロアーリーダーD、ユニットリーダーCを呼び、それぞれに事情を聴く。

 介護部長G「えー!それは初耳です。全く報告を受けていません!」

 フロアーリーダーD「えー!350万円も入っていたのですか?!知りませんでした!金額は大した額ではないと思い、Cさんから報告・相談を受けた時、家族に来て戴きお持ち帰りいただく様指示しました。その後すぐにCさんから"連絡して申し送っておきました"と報告がありましたので、すぐに返却されたものだと思っていました。Cさんの報告が深刻ではなかったので、大した額ではないと勝手に思い込み、介護部長のお手を煩わせることもないと判断し、介護部長には報告していません。確かにそれ以降連絡が無かったので気にはしていましたが…」

 ユニットリーダーC「350万円も現金ではなかったし、通帳をお持ちでも銀行からは引き出せないと思い安易に考え、ご家族に連絡した後はユニットでは何も対応しませんでした。しかし私はDさんに報告・相談し、Dさんの指示通りに動きました。介護部長にはDさんが報告していると思っていました。通帳と印鑑はいまだにどこにあるか不明です」

 それ以降も通帳は見つからず、トイレに流したのではないかと推測される。お金はご家族が後に銀行に事情を説明し、必要書類を記載・提出書類を提出し担保されたが、B様のご家族の怒りは収まらず、理事長と施設長とでB様のご家族宅に出かけてゆき、謝罪する。

 この件に於いてフロアーリーダーDとユニットリーダーCは、判断の誤りとホウレンソウのヒューマンエラーに対して始末書提出ならびに訓告処分となる。

5)終わりに

 ヒューマンスキルは経験と知恵(学習能力の高さ)が大きく左右する。成功も失敗も、多くの経験は知恵として大きな財産となる。

 ただし、漫然と仕事をしていては学習した事にはならず、知恵として蓄積しない。仕事は絶えず考えて行動する事が大切である。考えて行動した数だけ知恵となり、スキルを蓄えリーダーとして成長する。

 フロアーリーダーDとユニットリーダーCのその後は、一人はこの件で不満を残し半年後に退職。一人は報連相の重要性を認識し、失敗を知恵として蓄え、現在では施設長として活躍している。どちらがどうなったのかは読者の想像にお任せする。

参考文献:介護リーダー役割発揮のための基礎50 中央法規出版石郡英一
     ISHIKORI METTOD(カンボジア日本技術大学介護教科書)