「グループダイナミックス」という言葉をご存じでしょうか? 心理学者のクルト・レヴィンによって研究された集団力学のことで,集団において人の行動や思考は,集団から影響を受け,また集団に対しても影響を与えるというような集団特性のことを指します。例えば,新しい企画立案のための会議で,個人それぞれが案を出すよりも,会議の場でみんなで案を出し合った方が良い企画が出てくる場合があります。これは,グループダイナミックスによる効果であると言えます。
施設におけるレクリエーションで最近重要視されているのが「機能訓練」ですが,つらい,苦しい機能訓練では,なかなか意欲がわかず身体が動かせなかったのに,味方チームと協力したり,敵チームと競ったりすることによって,急に利用者同士が仲良くなり,表情が明るくなったり,予測しなかったパワーを見せたり,今までできなかったことができるなどの奇跡を起こしたりしたという瞬間を,皆さんはレクリエーションの現場で目の当たりにしたことはないでしょうか。
「みんなと一緒だから楽しんで身体や頭を動かすことができた」「周囲の人に触発されて思い切って行動に移せた」「笑いに包まれて悩み事も吹っ飛んだ」など,身体機能の維持・向上や認知機能への刺激だけでなく,人とのコミュニケーションの機会や役割,ストレス解消の場をつくってくれるのが「集団レクリエーション」です。
集団内で起こる相互作用が「他者」との関係の中で「自分」を見つめ直すきっかけとなり,自主性が生まれ,生活に対する意欲を生み出してくれることもあるということです。
また,「『笑い』は伝染する」と言われます。集団レクリエーションへの参加を通じて参加者の笑顔を見ているうちに,自分も笑顔になってしまう。ゲームの中でボールが落ちただけで大笑いをしてしまう,こうした集団レクリエーションゲームならではの楽しさを,利用者に感じていただくよう準備していきましょう。