レクリエーションの時間だからといって,ひたすらゲームをすればよいというものでもありません。ゲームの前に自己紹介がてら利用者に自分のプロフィール(出身地,好きなもの,趣味,特技など)を話してもらったり,レクリエーションゲームに沿った話題(野球ゲームなら好きな野球選手やチームなど)や季節の話題などを話してもらったりしましょう。「1964年の東京オリンピック」を題材に,クイズ形式にして昔の思い出話を引き出すのも楽しいですよ。「開会式に行った!」なんていう人も出てくるかもしれません。
私の経験上,利用者が食いついてくる話題は次のようなことです。
日本人は,四季の移り変わりや伝統を大事にする民族です。季節の話題はほっこりとした懐かしい気分になれますよね。
季節行事や年中行事もそうですが,例えば「昭和の事件やニュース」「芸能ニュース」「最近世間を騒がせているニュース」など,皆が分かる題材は話がはずみます。
認知症になると,新しいことが覚えられなくなってきます。そこで,新しいニュースをみんなで確認し合って記憶を定着させることで,脳トレにつながるというわけですね。
また,昭和時代の話を利用者から引き出すことも有効です。戦後,高度経済成長により日本が一気に変わったこと,その時の驚き,今と比べてどうだったかなど,共感を呼ぶ話題はレクリエーションの質をより高めてくれます。
「小学校のころ,どんな遊びをしたか」「学生時代はどんな楽しみがあって,街はどんなふうだったか」。「あれは,ああだった」「そうそう」…こんな会話は,話している人の幸せな思い出を引き出してくれます。苦労話も,今となってはよい思い出に変わっていることもあるでしょう。皆で労って称えることも,その人の「自己肯定感」を高めるよい機会になります。
覚えていることを出し合うことも記憶力の強化になりますが,細かい部分まで覚えていなかったことも,ほかの人の説明を聞くことによって記憶が定着することもあり,脳の活性化に役立ちます。
高齢者の頭の中は知識や技術の宝庫です。さまざまなジャンルの専門家が揃っていることもあります。自分が得意だったことや長年培ってきたことはしっかりと覚えていて,上手に話してくれる人もいます。利用者を「先生」にして,経験談や私たちが知らない話を聴かせてもらいましょう。