では,利用者に主体的に参加してもらうためにはどうしたらよいのでしょうか。いくつかコツを伝授しましょう。
なぜこのゲームをするのか,どんな効能があるのか,目的と効能を伝え,動機付けをすることにより,参加者のモチベーションが上がります。「やらされる」のではなく,「本人が主体的に」参加できるよう話術を磨きましょう。
例えば,こんなふうに!

頭も体も心も,使わないと錆びついてしまいます。頭を動かして脳を活性化しましょう!
歳を取ると2つ以上のことをいっぺんに行うのが難しくなってきます。ゲームで楽しく脳トレをしてみませんか?
わざと脳を混乱させるのがいいんですって! 混乱している時に脳が活性化しているんですって!
認知症予防のためのレクリエーションは,ともすると「間違えるとみっともない」「頭が悪いようで恥ずかしい」と苦手意識を持つ人が多いようです。私は,脳活性化レクリエーションの前には利用者に必ずこんな言葉を伝えるようにしています。

皆さん,レクリエーションゲームというのは,頭がよいからよくできるというわけではありません。実は,「慣れている人」が上手にできるようになっているんです。皆さん,普段ゲームなんかしませんものね。だから,間違えても恥ずかしいことはないんです。頭を使うことに意味があるわけですから,間違っても笑い飛ばしましょう!
私も,今ではできるようになりましたけれどね。できるようになるまでに3日かかりました!
順番に当てられて答えなくてはならないクイズなどは,参加する側からすると「間違えたら恥」と考えがちです。さらに,チーム対抗となると,「自分のせいで負けるかもしれない」などとプレッシャーになってしまう場合があります。そういう場合は,チーム分けをして誰が答えてもよいというルールにしたり,ペアで力を合わせて考えるようにしたりします。そうすることで,一体感や連帯感を生むよい機会にもなります。今回は,そういった機会を生む楽しいゲームを紹介しています (「⑦ペアで対抗時事ニュース」「⑧ペアで言葉づくり」「⑨ペアで目指せ、合わせて100点」)。
利用する曜日対抗でゲームをしてみるというのもよいでしょう。例えば,「木へんの漢字をいくつ出せるか」「国名(県名)をいくつ出せるか」「花の名前をいくつ出せるか」「風船バレーが何回続けられるか」(運動もよい認知症予防になると言われています)などを曜日対抗で競います。月曜日から土曜日まで,曜日ごとに数や回数を書いた表を壁に貼っておきます。翌週の利用日には,「水曜日チームが1位だった!」などの喜びの声が聞こえそうですね。表彰式まで準備すると盛り上がりますよ。翌週のデイ利用が楽しみになります。
「人の話を聴き,瞬時に理解をして,相手の状況や表情を読み取り,適切な反応をする」「相手の言ったことを覚える」「自分の意思を言葉にして組み立てて伝える」…これらの事柄は,実は非常に脳を活性化させるのだそうです。つまり,自分の思っていることを言語化することにより,語彙力,記憶力,想像力,注意力,判断力,表現力などを向上させます。
また,「相手の話に合わせる」「相手を楽しませよう,笑わせよう,関心をこちらに向けようとするために考える」「ウィットに富んだ言葉を考える」「関係ができてくると,間を置かずタイミングよくポンポンと言葉のやり取りができるようになる」…そんなことも,知らず知らずのうちに脳の活性化に役立っています。
レクリエーションの時間には,なるべく多くの利用者の「知っていること」「好きなこと」「話したいこと」を引き出して,たくさんおしゃべりをしてもらいましょう!