リハ・レク体操プログラム集 第5回 (2/17)

中重度の利用者への個別機能訓練のポイント

 デイサービスで集団体操などを実施する際,中重度の利用者の場合,軽度の利用者と一緒に同じことを行うのは難しいことが多いと思います。その場合は,利用者の身体機能や在宅環境,認知症の有無なども考慮して,適切な個別機能訓練のメニューづくりが必要となります。そこで,中重度の利用者の個別機能訓練について基本的な考え方をお伝えします。

①自宅での生活環境に応じたメニューを考える

 在宅などで,よくつまずいたり,転倒を繰り返したりしている利用者の場合,まずは,自宅の中のどこでつまずいたり転倒したりしているかを聴き取り,実際に自宅を訪問して,環境を確認しましょう。その上で,デイサービスでそれに似た環境を用意し,段差昇降の練習をするとよいでしょう。例えば,玄関の段差でよくつまずくといった場合,玄関と同じ高さの台を用意して昇降の練習を行うことをメニューとして加えます。

 また,自宅の家具などを伝って移動している利用者の場合も同様に,同じような環境をデイサービス内に作って「伝い歩き」の練習をするとよいでしょう。今後のことを考えて,住宅改修や杖・歩行器などの福祉用具の導入も検討してみましょう。杖・歩行器などの福祉用具の適切な使い方を練習していくこともデイサービスの重要な役割と言えます。

②車いすでの生活動作を視野に入れたメニューを考える

 車いすで生活している利用者の場合,デイサービス内の移動を車いすで行うことで,リハビリテーション(以下,リハビリ)メニューとして実施していくことができます。手こぎ・足こぎなど,本人の身体機能に合った駆動方法を検討し,車いすで移動するための練習をします。

 車いす使用者であってもベッドやトイレへの移乗は必要となるので,移乗動作を視野に入れた筋力向上トレーニングや立ち上がり動作などもメニューとして検討しましょう。その人の姿勢を見ながら,関節のストレッチや座位バランスの向上など,予後を視野に入れたリハビリメニューを準備するように心がけましょう。

 さらに,座位のまま自宅でもできる体操などを自主トレメニューとして紹介しましょう。

③コミュニケーションが困難な利用者の場合の対応

 中重度の利用者の場合,認知症があったり,失語症や構音障害があったりで,コミュニケーションが取りづらいことも多いと思います。そういった利用者は,本人から直接希望を聞くことが困難なことも多いですよね。その場合は,家族と相談したり,多職種で情報交換したりしながら,本人のQOL向上となり得るメニューを意識して検討していきましょう。

④実施する体操について医師への確認

 中重度の利用者に対し体操を行う場合,身体機能にダメージを与えることもありますので,その体操が本人にとって適切か(リスクがないか)どうか,主治医に確認して行ってください。